お腹のレントゲン写真って一発で毎回できる?腹部単純X線撮影のコツを教えます。




 こんにちは、放射線技師夫婦の部屋で待ってました!

 夫のこうくん嫁のきゅうです。

 それぞれの経験を踏まえて、有益な情報を発信出来たらと、日々努力をしているので是非ご覧ください

 一般撮影室では、腹部臥位のX線撮影のオーダーはどの施設も多いと思う。

 理由は、腹部にはいろんな科の診断領域が含まれるからなんだよね。

こうくん

 うちの病院でも、お腹のレントゲンだけで、1日20人以上は撮影するよ!

 でも、お腹って意外と恥骨や横隔膜、側腹が撮影範囲から外れてしまって、再撮影になることがたまにあるよね。

 こういうのを、無くすために僕がしているコツを教えます!

 ということで、今回の議題は

 腹部X線撮影を1発で撮り終えるためのコツ

を教えちゃいます!

 一回で検査が終わらなかったら、患者の痛みが長引いたり、不安な気持ちにもなっちゃう、、、、

 やっぱり、撮影ミスは限りなく減らしたいよね!

 理論的なことから、感覚的なところもあるので、自分に合った方法でやってみてね!

 さぁ、それでは行ってみよう!

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腹部のレントゲンの重要性

レントゲン、見方の味方4 「立位」と「臥位」、腹部レントゲンを撮るならどっち? | レントゲン | コメディカル向け無料教育サイト FUNMED (funmedtokyo.jp)

 腹部のレントゲン、少々ミスってもいいや!

 いいえ、それでは良くありません。

 腹部のレントゲンはいろんな情報が隠れていて、本当に患者に有効な撮影なのです。

 ミスなく、撮影してあげましょう!

 腹部は、骨、脂肪、内臓、筋肉、腹膜、ガス、消化管などいろんな情報が隠れているよね。その分、いろんな疾患もあって、救急でも腹痛で腹部のレントゲン写真を撮った人が多いはず!

 消化管穿孔によるFree Airや、イレウスによる二ボー、腰椎圧迫骨折、尿管結石など、1枚の写真でも気づくものがあり、今後の治療方針に大きく関ります。

こうくん

 僕の病院でも、救急患者の腹部単純撮影を、撮影室に医者が見に来るぐらいです

撮影内容

 それでは、早速撮影の方に行きましょう!

 と、一応学生さんのために、腹部のX線単純撮影の流れを教えていくよ!

STEP
患者の入室

名前の確認はしといてね!

STEP
撮影台まで案内

立位か臥位か確認しておこう!

STEP
ポジショニング
こうくん

ここのコツを後で教えるね!

STEP
撮影

基本的に、

臥位:70kV 20mAs

立位:85kV 36mAs

ぐらいで撮影すれば、線量は足りるよ~

「股関節の正面軸位」、「腰椎の正面側面」と同じくらいの条件だから、合わせて覚えよう!

STEP
画像確認

意外と、金属系が映り込んでるのを見逃してしまうことがあるから、ちゃんと確認しようね!

STEP
退室

次へご案内しよう!

腹部の撮影のコツ

 よし!んじゃ、腹部の撮影のコツを教えていくよ~!

 とりあえず大前提に、腹部の立位は横隔膜臥位は恥骨が投影されていないといけないのはわかっているよね?

 分からんって人は、これで覚えたね!

 んじゃ、ポジショニングのコツを教えるね。

STEP
照射野の真ん中に、体を配置

立位の場合も、臥位の場合も、まずは、照射野ランプを付けて、照射野の真ん中になるように体を動かす。

STEP
恥骨or横隔膜の位置を確認

恥骨の位置恥骨上端(臥位のみ)、大腿骨大転子(立位and臥位)を触る。

横隔膜の位置なんとなく、その人の乳頭の位置を想像する(もちろん触らんでよ!

ここで注意!!!

ヒヤリハット事例

 女性患者の腹部X線単純撮影をするさい、放射線技師がポジショニングのため恥骨を触ると、患者から変態と苦情が入った。

 ということで、男性技師は不公平だが恥骨はできるだけ触らないようにしよう!

 女性の恥骨は、見た目で大体分かりやすく、

 男性よりも皮膚面に浮き上がっているため、ズボンやスカート越しでも位置は分かりやすい

 見た目で合わせよう!

STEP
腸骨稜を触る

 ほとんどの場合は、骨盤上縁(腸骨稜)が視野の真ん中になるので、参考程度に位置を確認。

 肥満体型で全然分からない患者は、この上前腸骨稜で合わせてみよう!

STEP
それぞれの指標で視野をつくる

 恥骨や乳頭、大転子部、腸骨稜の位置で、視野を上端下端を決めて作る。

最終奥義

 撮影するとき、患者の指標となる部位を触っても、いまいち分からん!という時の、必殺技を教えてくぞ!

 もうわからん!!ってときに、とりあえず腹部の条件で撮影すると、患者の被ばくが多くなってしまいます。

 ということで、

照射条件を出来る限り落として、試し撮りをすることをお勧めします!

 お腹の場合は、110kV3mAsで撮影してみて

 とても、被ばくを抑えた条件ですが、骨や皮膚表面は分かるので、そこから微調整すればいいよ。

まとめ

 腹部のレントゲンって、結構多いし、放射線技師にとっては身近な撮影だと思う。

 だからこそ、1回の撮影で終われせ、仕事の効率化と患者の被ばく低減、負担軽減に努めるべきなのです。

こうくん

 お腹のレントゲンごときに、時間はとってられん!

きゅう

 ごときっていうな!本当にうちの旦那は、、、

 まぁ、これでお腹の撮影が上手になることは間違いなし!最終奥義も教えたしね!

 他にもいろんな記事をあげているから見てみてね~




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コメント

コメント一覧 (4件)

    • 申し訳ございません!!!
      一部の人は、上前腸骨棘でポジショニングするみたいで、腸骨稜と混ざってしまっていました、、、
      今回の場合だと、腸骨稜です。

      お忙しい中、ご指摘ありがとうございます。

  • 学生ですよろしくお願いします

    〉〉とりあえず大前提に、腹部の立位は横隔膜、臥位は恥骨が投影されていないといけないのはわかっているよね?

    この横隔膜恥骨が投影されていないといけない理由をご教授いただきたいですよろしくお願いします

    • まず、新人放射線技師向けに作った記事なので、分かっている前提で説明しております。学生さんに向けた説明がなく、誠に申し訳ございません。

      さて、質問の内容ですが、腹部の立位か臥位のオーダーを立てている時点で、Dr側の意図を知る必要があります。一般的には、臥位のみか、立位臥位で比較するかです。(意外と就職すると、ただ両方撮影しておこうという適当なDrも見受けられますが、、、)

      腹部立位➜フリーエアー(腸管に穴が空いたりして漏れた空気)が肝臓の上などに、溜まっていないの確認。二ボー(イレウスなどによる液面形成に伴う空気の見え方)の確認。逆に、腹水は足側に溜まる傾向があります。重力により、腹部が足側に軽く圧迫されます。立位不可の患者は座位で撮影します。
      腹部臥位➜重力が背側なので空気は腹側に溜まり、フリーエアーや二ボーは確認することが出来ませんが、その代わり重力による影響が少ないので腹部を広く見ることが出来ます。基本的に、腸管系統の疾患を疑わないなら臥位一択でいいです。

      つまり、立位は横隔膜が投影されていないと、横隔膜下の空気が描出されない可能性が出てしまいます。また、臥位は腹部を全体的に見たいため、骨盤内臓器もしっかり投影するために、恥骨を投影します。

      例外として、外科の場合は、外科的に開腹手術をしており、直腸をオペしているなら恥骨までしっかり投影したり、肝臓や胃のオペなら横隔膜を立位・臥位の双方で投影しなければなりません。

      長文になり、申し訳ございません。説明下手ですが記事に関して、また分からないことがあれば、いつでもコメントください!

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